トランス関連

女子トイレは使える?

女子トイレは使える?

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結論

結論から言います

 

 

 

 

 

 

 

 

 

使えます

 

 

 

 

 

 

 

 

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法的根拠

・戸籍上男性の人が女子トイレを使用することを禁じる法律がない

男女どちらのトイレを使うかは、私達MtFにとって大きな問題だと思います。結論から言うと、私達MtFは女子トイレを使うことができます。単に男性が女子トイレに入ることを処罰の対象とした法律等がないからです。そこで関係法令を挙げて見ていきます。

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2-1 迷惑行為防止条例

第5条

何人も、正当な理由なく、人を著しく羞恥させ、又は人に不安を覚えさせるような行為であつて、次に掲げるものをしてはならない。
(2) 次のいずれかに掲げる場所又は乗物における人の通常衣服で隠されている下着又は身体を、写真機その他の機器を用いて撮影し、又は撮影する目的で写真機その他の機器を差し向け、若しくは設置すること
イ 住居、便所、浴場、更衣室その他人が通常衣服の全部又は一部を着けない状態でいるような場所

出典 : 東京都迷惑防止条例

条例とは各地方自治体が独自に制定するもので法律に準拠します。ニュースなど見てるとよく耳にしますよね。ただ、この条例の多くは「盗撮目的で侵入した場合」を処罰の対象にしています。私達は盗撮目的でトイレに入る訳ではありません。よって処罰の対象とはなりません。

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2-2 建造物侵入罪

第百三十条 

正当な理由がないのに、人の住居若しくは人の看守する邸宅、建造物若しくは艦船に侵入し、又は要求を受けたにもかかわらずこれらの場所から退去しなかった者は、三年以下の懲役又は十万円以下の罰金に処する。

出典 :刑法 -  電子政府の総合窓口(e-Gov)

ここでは盗撮が要件として挙げられてないのですが、除外要件として「正当な理由がないのに」と挙げています。つまり正当な理由があれば大丈夫なのです。そして「排泄」は正当な理由になります。よってこの法律においても処罰の対象とはなりません。

ポイント

建造物侵入罪には管理者意思説があり、これは管理者の意思によって違法とされるというものです。そこで異性のトイレに通常のトイレ使用目的で入ることを違法とする場合、それは「管理者の意思」がそうしているからと言えます。つまり「管理者の意志に反しているかどうか」が問題になってくるのです。しかしその管理者意思が「性器形状」や「戸籍」が基準であるとは言えません。管理者は「性同一性障害の診断が下されている人であっても戸籍あるいは性器形状基準で制限すると管理者は考えている」とは一概に言えません。よって通常であれば使えることになります。しかし逆に張り紙等で「性同一性障害者の利用を禁ずる」とあればそれは管理者の意思であり、当事者は利用できないことになります。ただ、そのような差別的な掲示をする管理者が果たしているでしょか…。(ちなみに張り紙等で管理者が禁止しているにもかかわらずそれに従わなかったので違法とする、という判例が複数あります。このことからも、管理者が禁止の意思表示を示す場合、張り紙等で周知させる必要があるとも考えられます)

ポイント

また、先の「管理者の意思に反するかどうか」の問題で、わざわざ男女別のトイレを設置していることから、それを以て管理者の意思の表示表示(生物学的男性は女子トイレを使ってはダメ)とするという考えもあります。では、管理者がトイレを男女別にする目的は何でしょうか。それは社会的な混乱と犯罪の回避だと考えられます。なんでもかんでもダメという訳でなく、あくまで目的はそこなのです。例えば見た目男性のトランスジェンダー男性が女子トイレを使うと混乱が生じることは明らかですし、これは逆も同じです。この点からむしろ戸籍上の性別にしたがったトイレを使うと社会的に混乱をきたすことがあります。混乱をきたすことは管理者が望むところではないでしょう。このことから男女別になっているからと言ってそれで「一律に」女性トイレの使用を禁ずる、と管理者が考えていると解釈するのはちょっと行き過ぎなのかなと考えます。

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2-3軽犯罪法

第一条一項23号

正当な理由がなくて人の住居、浴場、更衣場、便所その他人が通常衣服をつけないでいるような場所をひそかにのぞき見た者

出典 :軽犯罪法 - 電子政府の総合窓口(e-Gov)

ここでも「のぞき」が要件となっており、かつ、「正当な理由が」ある場合が除外されています。よって、のぞき目的でなくGIDおよび排泄行為という正当な理由がある私達は、この法律においても処罰の対象とはなりません。

ポイント

このように、現行法では男性が女子トイレを使うことを禁止する法律はありません。よってMtFが女子トイレを使用する行為は法を犯すというものではありません。

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でも通報されないわけではない

しかし現実ではどうでしょうか。法的に合法でも明らかにおっさんが女子トイレに入ってきたらどうなるでしょう。

 

捕まります

 

えぇ、通報されて捕まります。それが現実です。

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ではどうすればいいか

 

対処法は一つです。

 

 

パス度を上げる

 

 

これに尽きます。捕まるのはその人が「女性に見えないから」です。ノンパスだからです。厳しいようですがそれが現実です。いくら心は女だと主張しても見た目が伴っていなければそんな主張も通用しません。ガンガン通報されてバンバン捕まることでしょう。

女子トイレを使うためには他の女性が不安にならない程度にパス度を上げておく必要があります。これが最低限の条件です。

とにかく見た目です。診断書等ではありません、「見た目」です。

 それはなぜか、それは女性にとって男性は脅威だからです。多くの性犯罪の加害者は男性です。これからも伺えるように多くの女性は男性を非常に警戒しています。男性として生まれ男性として生きて生活してきたMtFにはあまりピンとこないかもしれませんが、生得的女性は痴漢をされたりセクハラをされたりと性にまつわる大変嫌な思いをたくさんしています。本や動画のメディアでも女性は性的対象として描かれているものもたくさんあります(AVなど)。男性の性欲はとにかくそれほど強いのです。深刻な問題ではレイプもそうです。男性は性欲が強いし、筋力でも敵わない。男性を警戒・嫌悪する女性が多いのは当然のことです。

よって女性スペースである女子トイレに性的な(または物理的な筋力差での)脅威である男性に侵略されることに大変敏感です。敏感というか、ハッキリ嫌だと思っています。特に男性の性の象徴である男性器については顕著です。男性器=性欲=性犯罪=脅威なんですね。なので男性に見える人はそれが性同一性障害であろうがなかろうが、SRSしてようがなかろうが、なんなら戸籍もどうでもよくて、とにかく、とにかく嫌なのです。理屈じゃないのです。

ただ、それは可視化される場合に限ります。女性も気付かない程のパス度を持っているMtFなら生得的女性の誰も気に留めることはないでしょう。同じ生得的女性にしか見えないのだから。この場合女性がMtFを警戒するケースには当たりません。警戒するも何も、女性にしか見えないので問題にならないからです。

というわけで必要なのが先で申し上げたように「パス度」なのです。女性はとにかく男性が嫌です。ここで女性が相手を男性だと判断する基準は何でしょうか。そうです、見た目です。人は見た目で判断します。女性も見た目で男性っぽいMtFを見かけたら嫌悪感を示します。逆を言うと、見た目が女性なら嫌悪感を抱かれないということになります。

昨今MtFに対する風当たりは非常に強いものとなり、「戸籍変更しても男は男だ。男は何をしても女にはなれない。よって何があろうと女性スペースを利用すべきでない」とする考え方も広まってきています。気持ちは分かるのですが、さすがにこれはちょっと極端すぎるのではないでしょうか。大多数のMtFはちゃんと場をわきまえ、迷惑にならないように気を付けて生活している人が多数です。ほとんどのMtFがそうです。それらのMtFをも全てひっくるめて排除するというのはあまりにも暴論と言わざるを得ません。

繰り返し申し上げますが、私が女子トイレを使っても問題とはならないだろうと言っているのは女性に見える(完パスしている)MtFであって且つ犯罪目的でない人に限ってのことです。それ以外は通報されます。MtFであれば無条件に誰でも使えると言っているのではないことを分かって頂けたらと思います。

 

以上のことから女子トイレを使うなら他の生得的女性に不審がられない・不安にさせない容姿を身につけておく必要があります。自信が無いうちは多目的トイレを利用するのが無難だと思います。どの段階で女子トイレに移るかは、男子トイレを使って他の男性が驚いて出て行ったり、掃除のおばさんなどに「ここは男子トイレだよ。女子トイレはあっち」など言われれば見た目が女性になっているという一つの指針になるでしょう。もちろんトランスが進んでもずっと多目的トイレのままでもいいですし、なんなら男子トイレだって当然OKです。実際にスカート姿で男子トイレに入るという当事者はいます。考え方は人それぞれだと思います。

注意ポイント

念のため言っておきますがこの記事は盗撮等犯罪目的の男性の侵入を手助けするものではありません。上記で述べたように、犯罪目的での侵入は法律でハッキリと違法とされています。ここでは純粋にトランスジェンダーが女性として生きていく中で、特にRLEにおいて持ち上がるであろういち課題について検証したものです。

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まとめ

いかがだったでしょう。パス度に自信がない、通報されたらどうしようと心配する方も多いと思います。これは正直仕方ない部分があります。男性から女性にトランスするということは簡単なことではありません。上でも説明しましたが、性自認が女性だといくら言っても見た目などでジャッジされるのはある意味とても残酷なことでもあります。しかし女性として社会の中で生きていくにはそういった面もあるということを念頭に置いておかなければなりません。仮に通報され捕まってしまった場合、自分が盗撮等の犯罪行為をしていないこと、性同一性障害者であることなどの事情を警察に説明しましょう。このようなトラブルの場合、通っているジェンダークリニック等に確認ため電話連絡が行く場合があります。なのでいくら法的に大丈夫だと言っても全く病院にもかかってない段階からいきなり女子トイレを使うというのはやめた方がいいでしょう。

 

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