女声関連

声オペについて

声オペについて

この記事では声の女性化手術について説明していこうと思います。

a01

声オペの種類

声の女性化手術にはいくつか種類があります

a1-1

1-1 甲状軟骨形成術Ⅳ型(私が受けたオペ)

京都の京都耳鼻咽喉音聲手術医院(ひろしば耳鼻咽喉科)で行われている術式です。喉を構成する軟骨には大きく分けて2種類あります。甲状軟骨と輪状軟骨です。簡単に言うと上と下です。これは通常の男性は上と下がある程度離れています。離れているので声帯も開き、大きくなっているので低い声が出るのですが、これらの軟骨を外科的手術で狭めることで声帯も狭くして声を高くします。

首の喉のあたりを切開して行うので傷跡ができます。逆に声帯はまったく弄りません。あくまで軟骨をぐいっと狭める術式です。費用が50万円前後と安く、60万に値上げされました。ほぼ確実に低音がカットされ声が高くなります。オペは局所麻酔で行われ、オペ中に実際に声を出して高さを確認しながら行います。ちなみに京都の病院は戸籍を女性に変えていれば保険適用になります。嬉しいですね。2023年4月から完全自費になってしまいました。残念です。なので戸籍が女性でも保険は適用されず自費になります。

ただ、上の軟骨も下がることから喉仏が以前より目立つようになります。よってこの術式の場合、同時に喉仏削りをやった方がいいでしょう。費用は+10万円くらいです。

また、ヤンヒー、ガモンホスピタル、新宿ボイスクリニックでもこの術式で行われています。

a1-2

1-2 声帯短縮術前癒合後進術

韓国のイェソンで行われている術式です。喉を切開するのではなく、開いている声帯の一部を縫って物理的に狭くするものです。首を切らないので傷跡ができません。前の甲状軟骨形成術Ⅳ型が軟骨という「外」の術式だったのに対し、このオペは声帯自体の「中」の術式と言えるでしょう。費用は140万円程度とお高いです。また、オペ後のボイストレーニングが必須で、オペしたからと言って自動的に女性らしい声が手に入るわけではありません。オペは全身麻酔で行われます。

a1-3

1-3 甲状軟骨及び声帯襞縮小術

タイのヨーサガンクリニックでやっている術式です。前のふたつが「外」からの術式と「中」からの術式でしたが、これは「外と中」両方からアプローチする術式と言えます。まず喉を切開して軟骨と声帯の両方を少しカットします。そのカットした箇所を縫い合わせます。軟骨カットにより喉仏がなくなり、声帯カットにより声帯が狭まり声が高くなります。確実に高い声が手に入りますが、ちょっと強引な術式のため、オペで得た声を自分の物にするには半年近くの時間が必要と言われています。タレントのKABA.ちゃんが行ったことでも有名です。オペは全身麻酔で行われ、費用は70万円前後のようです。

a02

私が受けたオペと病院

私は1-1の甲状軟骨形成術Ⅳ型のオペを受けました。病院は京都の京都耳鼻咽喉音聲手術医院(ひろしば耳鼻咽喉科)です。

理由はイェソンは韓国という行ったことがない異国だったのとオペ後すぐに効果が出ないという点、ヨーサガンは全身麻酔で行われるためどんな声になるか不安だった点、これら不安材料を除いた消去法からこれにしました。それだけです。また、京都の当該病院で受けてる人がちらほらいた、というのも決め手になりました。何にしても私は自分で選択して決めるということが苦手なんですよね。ほぼ勢いだけで行動しています。

a03

オペまでの流れ

私が受けたオペの流れを説明します。病院は京都です。

a3-1

3-1 術前診察

細いファイバーカメラを鼻から突っ込まれて喉の声帯を見ながら発声し、それを先生に診てもらいました。私の場合は普段出している女性の声が250HZ、男性の地声が110HZくらいでした。診察では既に女性の声を習得している点を言われ、地声はオペによって高くなるそうです。女性化関係のオペはタイばかりで、初めての国内でしたが、いやぁ日本語が通じるってすごい安心感ですね!

a3-2

3-2 各種検査
  • 声の周波数測定
  • 低音から高音の発声幅の測定
  • 喉のレントゲン撮影
  • 採血
  • 心電図
  • 血圧測定
  • オペの流れの説明を受ける

といった感じです。費用は驚いたことに5万円ほど取られました。すでに女性に戸籍変更している方は保険適用になります。オペ自体も戸籍変更してる方は保険が効きます。私はまだ戸籍変更していないので全額実費でした。

a3-3

3-3 入院

最初の診察から最短で1週間、通常なら3週間から1ヶ月後にオペ日入院となります。私は勢いだけで生きてるので最短の1週間で無理矢理予定を組んでもらいました。入院は個室で、病院着に着替えてオペ当日に入院します。午前11時頃入院ですが、しばらくするとすぐオペになります。オペ後はまたこの部屋に戻ってきます。

病室

嬉しい

a3-4

3-4 オペ

いよいよオペです。看護師さんに連れられてオペ室に入ります。喉あたりに局所麻酔を打たれ、そこからオペスタートです。麻酔が効いてるので痛みはないのですが、軟骨を引っ張ったりカットしたりといった感触は伝わってきます。すごく怖いです。途中「声を出してみてください」と言われて声を出し、高さを確認しながらの流れになるのですが、すっごく声が出しづらいです。上下の軟骨が引っ張られて声帯も狭まってるので上手く出ません。でも先生は「うん、いいね」とか言ってたのでいいんでしょう、たぶん。オペ時間は2時間くらいです。意識はあるのですっごく長く感じました。終わったときはとてもホッとしましたね。

a3-5

3-5 術後

術後は病室に戻って安静にします。オペ後1時間で水を飲むように指示されます。少し飲みにくいですが、飲めなくはないです。看護師さんはそれを確認して「はい、いいですね」とか言ってました。いいそうです。

晩ご飯

晩ご飯はすごくリッチなものを用意されます。飲み込めるか不安でしたが普通に食べることができました。軟骨という「外」の術式であって声帯自体は弄ってないので飲み込む動作も問題ないのだと思います。すごく美味しかったです。

オペ後3日は一切の発声が禁止です。咳払いもダメです。でも寝言やイビキはどうするんだろうと訪ねたらそれは仕方が無いことなのでいいそうです。この3日間は筆談とジェスチャーだけで過ごします。病院は翌日退院です。8時頃先生がやってきて少しだけ発声してみて確認して終わり。

a3-6

3-6 定期検診

オペの1週間後に抜糸です。私は千葉に住んでいて京都の病院は遠方だったので紹介状を書いてもらい近隣の病院で抜糸しました。そのあと1ヶ月後に最初の定期検診です。

私はオペしてからも①オペ前と声があまり変わっていなかったこと、②低い声がまだ出ること、の2点が不安だったので相談したところ

①についてはオペ前からボイトレして女性の声を習得していたのであまり変わらないとのこと。でもオペ前は意識して出してる声がオペ後は意識せずに出せるようになったのは大きい変化だと感じました。逆にボイトレしていないひと、女性の声が出せなかった人に関してはオペ後に得た声を自分のものにするには半年近くかかるようです。

②については楽器が大きいと低い音が出るのと同じように、私がガタイがデカいのでそれなりに低い声が出てしまうとのこと。これは自然のことで仕方ないそうです。逆にこれ以上声を高くすると女性声も高くなり不自然なアニメ声になってしまうので今のままでいいとのアドバイスを受けました。安心しました。

a04

オペ前後の私の声の変化

オペ前、オペ後3日、オペ後1週間、オペ後1ヶ月の声の変化を動画にしましたので参考にしてください。

a05

オペの感想

結論から言うとやってよかったかどうか微妙です。ポジティブに言うと高い声が自然になり、低い声が意識しないと出せなくなったのはいいと思います。逆にネガティブに言うとオペ前から(自分では全然納得してないものの)女性と捉えられる声はある程度出せていたので、それがオペしたからと言って劇的に変わるわけではないのが残念です。やはり声オペをしてもボイトレは継続してやらないといけないようですね。

ボイトレをまったくしていない当事者であっても声を高くすることができますが、自動的に素敵な女性の声になるわけではないというところは頭に入れておいた方がいいでしょう。

オペ後1週間後から割と普通に声が出せていたことから、ダウンタイムは最短で1週間と言えるでしょう。安定した声を出すには数ヶ月かかるかと思います。

a06

まとめ

いかかだったでしょうか。声というのはトランスするにあたりとても大事なものだと思います。女性の声を手に入れるには地道にボイトレして出せる人もいれば、私のように油断したときに低い声が出るなど、どこか不安点がある人も多いでしょう。声オペはいくつか種類がありますが、「声」はとても大きなポイントであることから慎重に選んだ方がいいと思います。

 

Copyright© MtF情報発信サイト , 2024 All Rights Reserved.