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SRS、女性ホルモン、確定申告の医療費控除について

医療費控除について

SRS(性別適合手術)や女性ホルモンなど、トランスするに際して掛かった費用は医療費控除として還付の対象となります。ここではそれを見ていきます。

目次

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医療費控除とは

医療費控除とは、簡単に言うと支払った税金が還付される(戻ってくる)というものです。

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1ー1 概要

その年の1月1日から12月31日までの間に自己又は自己と生計を一にする配偶者やその他の親族のために医療費を支払った場合において、その支払った医療費が一定額を超えるときは、その医療費の額を基に計算される金額の所得控除を受けることができます。これを医療費控除といいます。

引用:国税庁

つまり医療費控除を使うとその年に支払ってた所得税が返ってくるというシステムです。

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1ー2 確定申告

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確定申告とは

確定申告という言葉くらい聞いたことはあるのではないでしょうか。しかし実際は何のためにやるの?誰がやるの?など、具体的なことはイマイチ分からないのでは。確定申告とはその1年の所得税を確定するための申告を言います。税金にはいろいろな種類があり、住民税、固定資産税、法人税、消費税など、たくさんありますが、その中で「所得税」という税目の金額を確定するものです。

これはその年の1月1日から12月31日まで、収入(額面の金額)、所得(収入から所得控除を差し引いた額)はいくらかを計算し、その所得に税金を掛けるので「所得税」と呼ばれています。

まぁとにかく1年の所得税金額決定の総決算というわけです。確定申告は毎年2月中旬から3月中旬の1ヶ月間で行われています。短ぇ…。

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医療費控除とは

この所得税金額決定の総決算=確定申告なんですが、これに関係してくるのが「医療費控除」です。

    • 所得税は所得に課税されます。
    • 所得は収入から所得控除を差し引いて算出します。
    • そしてこの所得控除に該当するのが「医療費控除」です。

つまり、それだけ所得を減らすことが出来る→税金が減る→減った分が還付される。これが医療費控除です。

 

いくら返ってくるのか

これは気になるところですよね。税率は所得の大小によって異なるので一概には言えませんが、およそ払った医療費から10万円を差し引いた額の5%から20%返ってきます。結構大きいですよね。

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準備するもの

さて、大まかに確定申告と医療費控除の関係を解っていただけたでしょうか。次に何を準備すればいいのかを見ていきます。

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2ー1 源泉徴収票

こんなやつ

通常働いていれば必ず会社から貰います。12月に経理の人が鬼のような形相で年末調整(税金の計算、めちゃくちゃ大変)して、おそらく1月か2月頃に渡されると思います。これに収入金額や所得控除、所得税の金額(源泉徴収税額と書かれてあります)などが記載されてあります。確定申告にはこれの原本が必要(現在は源泉徴収票の添付は不要になりました。よって源泉徴収票も原本でなくてもいいです)。これが無いと所得や課税状況が分からないのでまったく先に進めません。お話になりません。紛失した人は会社に連絡して再発行してもらいましょう。

確定申告には収入金額や所得控除額を入れる必要があります。以下を参考に入力してください。

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2ー2 SRS、ホルモンに掛かった金額合計

SRS、ホルモンなど分類ごとに分け、それらの領収証の合計金額を叩き出してください。電卓使うよりExcelでやった方が楽でしょう。

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個人輸入した女ホルも大丈夫?

大丈夫です。個人輸入した女ホルだって性同一性障害者にとっては必要なお薬です。海外だからって除外する理由はありません。領収証はないでしょうが、振り込み等で金額は把握できるでしょう。だいたい薬局の風邪薬だって医療費に含まれるんですよ?私たちが生きるのに不可欠な女ホルが含まれないはずがありません。

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 アテンド代は入れていい?

大きな声では言えませんし結構グレーゾーンです。しかしタイという異国の地に医療目的で行くのにひとりでは精神的に不安定になり、ややもすればパニック発作など起きかねません。そう考えるとアテンド代は医療費に入れていいことになります。実際入れてる人多いですね。

ただし申告後、税務調査に来られた場合は要注意です。税務署側は認めないケースもあるのでそのあたり念頭に入れて置いてください。なので自己責任でお願いします。

アテンド代を入れない場合はアテンドさんから料金の明細をもらわないといけないでしょう。

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外国のSRS費用でも大丈夫?

大丈夫です。海外でのSRSも医療費控除の対象となる旨の決定が名古屋国税不服審判所から出ています。(名裁(所)平19第29号)。何の問題もありません。

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ガイドラインに沿ってないけど大丈夫?

大丈夫大丈夫。ガイドラインなんて医療費控除となんの関係もありません。

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確定申告のやり方

さて、次に具体的にどのようにして確定申告をすればいいのか見ていきましょう。

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3ー1 ウェブサイト

今は何でもインターネットです。国税庁のHPにも確定申告の作成コーナーがちゃんと設置してあります。それも以前と比べてかなり使いやすく、分かりやすくなっています。

ウェブサイトでの申告はいくつか種類があり、「マイナンバーカード」や「ID・パスワード」の方式などありますが、私は「印刷して提出」をオススメします。

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印刷して提出(郵送)

 

↑パソコン版

 

 

↑スマホ版(提出方法の選択)

 

確定申告書作成コーナーを進んでいくとこのような画面になります。どんな形式で確定申告書を提出するのかを選ぶ場面です。ここで「印刷して提出」を選択してください。理由はそれが一番手っ取り早いからです。他のオンライン申告はマイナンバーカードおよびICカードリーダーが必要だったり、一度税務署に実際に足を運んでID等を取得する手間があります(後述)し、オンラインは何かとエラーが出がちです。それに引き換え郵送は印刷して送りつけるだけです。単純で簡単です。

確定申告には収入金額や所得控除額を入れる必要があります。以下を参考に入力してください。

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マイナンバー方式でオンライン申請

マイナンバーカードをICカードリーダで読み込み、オンラインで提出する方法です。私もやったことありますが、ちょっと面倒です。あと別途カードリーダーを購入する必要もあります。それでもせっかくのマイナンバーカードだからと使いたい人もいるでしょう。そういう人はこちらを選択してもいいと思います。プリンターを持ってない人もこれになるでしょう。※スマホで確定申告できるようになったみたいですね。それは便利そうなのでやれる人はこれを利用してもいいかもです。

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ID・パスワード方式

これは一度税務署に出向き、自分専用のIDとパスワードを取得し、それを用いてオンラインで申告するという方法です。なんでオンライン申告やのに税務署に行かなあかんねん。おかしいやろ。てなわけでこれは私はオススメしません。が、これもプリンターがなければ選択肢のひとつとして考える必要があります。

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3ー2 実際に税務署へ行く(非推奨)

オンラインではなく、確定申告期に実際に税務署に出向き、職員と相談しながら申告書を作成・提出する方法です。確定申告の期間は毎年2月中旬から3月中旬の1ヶ月間です。そのわずか1ヶ月の間にその管轄の納税者達がわんさかと税務署に集まるわけですよ?それはもう大変な混雑です。あなたがやろうとしてるのは何も難しい申告内容ではありません。単なる医療費控除です。すご〜く簡単な部類です。そんなのおうちのパソコンでやりましょう。

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領収証等の書類について

手元にある大量の領収証はどうしたらいいのでしょうか。

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4ー1 提出は必要ない

以前はすべての領収証の提出が必要でしたが、今はペーパーレス化の波もあり、提出は必要なくなりました。なので出さなくていいです。

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4ー1ー1 医療費控除に関する明細書

その代わりこんなのが要ります。いわゆる集計表ですね。領収証の提出は必要ありませんが、それらを集計したこの明細書は入力する必要があります。あ、ちなみに医療費は家族の人のも含めて申告することができます。家族でたくさん病院に掛かったり薬代が掛かった人のは合算してもいいかもしれません。面倒だけど。国税庁HPからDLして手書きするか、たぶんオンラインで進んでいくと入力する画面が出てくるはずです。あまり細かく分類する必要はないですよ。おおまかでいいです。

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4ー2 5年間保管する

領収証は捨ててはいけません。5年間保存してください。税務署が来たときに見せるためです。

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過去5年間遡れる

この医療費控除の申告は、過去5年間遡ってやることができます。あー!やってなかった!っていう人はやってみてはいかがでしょうか。その際はその年分の「源泉徴収票」が必要になりますので会社に再発行を依頼してください。

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多くもらうテクニック

医療費控除はあくまで支払った所得税と、医療費控除で再計算した所得税の金額の差額が返ってくる制度です。よって

  • ほとんど働いていない人→納税額が少ない→返ってくる金額も少ない
  • そもそも全然働いてない人→納税額がゼロ→1円も返ってこない

せっかく大金をはたいてSRSしたのに医療費控除が有効に使えない!そんな人もいるでしょう。学生とか。そういう人は自分の親に申告してもらいましょう。医療費控除申告は別にやった本人でなくてもその家族が申告してもいいのです。例えばお父さん、お父さんはたくさん働いてたくさん所得税を払っていることでしょう。そのお父さんが医療費控除の申告をすれば多くの金額の還付が望めます。もちろんお母さんでもお姉ちゃんでもいいですよ。

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注意事項

7ー1 医療保険等で補填された金額は医療費から差し引く

保険会社によっては医療保険が適用されて手術給付金などが支払われることがあります。私がそうでした。45万円くらい給付されたかな。まさかタイのSRSで給付金がおりるなんて思ってなかったのでびっくりしましたが、嬉しかったですね。このように保険会社およびその契約内容によっては給付金を受け取ることができるので事前に確認しておくことをオススメします。で、注意点なんですが、給付金が出た場合はちゃんとそれを医療費から差し引くのを忘れないようにしてください。支払った医療費だけ入力して貰った給付金はゼロにするなどしてはいけません。分かりましたね?

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7ー2 還付金を貰えない人

上で述べたようにまったく働いていない人は自分で申告しても還付金は発生しません。自分より稼いで所得税を納めてるであろう家族を頼りましょう。

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まとめ

いかがだったでしょうか。ちなみに確定申告期は2月中旬から3月中旬の1ヶ月間ですが、実はそれは「納税の申告」場合の申告期間であり、医療費控除など税金が返ってくる「還付の申告」はいつでもいいです。まぁ厳密には申告期以外にやっちゃうと住民税等にちょっと影響とかするかもしれませんが、まぁそれは仕方ないでしょう。

最後に国税庁HPの確定申告関係の最初のページを貼っておきますね。ここです。 なんかいろいろ書いてあって見にくいですが、逆にそれだけ情報もありますよ。

それでは、レッツ ゲット 還付金!!

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